糖質制限していると「ケトン体」という言葉を聞くようになりますね。
糖質制限はこのケトン体をうまく利用したダイエット方法とも言われています。
ではケトン体とはいったいどんなものなのでしょうか?解説していきたいと思います。
ケトン体ってどんな物質!?
ケトン体は糖質制限ダイエットの認知度が高くなるにつれて、よく聞くワードとなりましたが、いったいどんな物質なのでしょうか?
「ケトン体」は肝臓で脂質が分解されてできる物質です。糖質が不足している場合は、このケトン体も脳や体のエネルギーとして使われることが明らかになってきました。
つまり、糖質をエネルギーとして使えない時は、脂肪を基に脳や体に必要なエネルギーを生み出すシステムになっているのです。
ダイエット中にはこの体のシステムをフル活用していきたいところですが、では、いったい、どのようにしたら脂肪を燃やし、ケトン体を燃料として使えるようになるのでしょうか?
順番があるんです。ケトン体が使われるようになるまで
肝臓は、中性脂肪などから「ケトン体」を直接生成して、アミノ酸・ブドウ糖の代替エネルギーとして機能させる働きを持っていますが、この経路を「ケトン体回路」といいます。
このケトン回路、実は使われ始めるまでに、準備が必要なのです。
この準備というのは、食事内容を変え、体の中の糖質と、貯蔵されているグリコーゲン等のエネルギー源を全て無くした状態にすることです。
この準備が整って初めて、ケトン体回路を回せるようになります。
例えば食事をした後、3時間程度すぎると、すぐに空腹を感じたり、甘いものを欲したりする方は、このケトン体回路がうまく働いておらず、エネルギーを生み出す回路が糖質だけに偏っている可能性があります。
糖質制限のお食事を実践し、ケトン体回路を呼び覚ましましょう。
体がいったんケトン体回路を使えるようになると、脂肪がエネルギー源としてうまく使われるようになりますから、太りにくい体作りができてきます。
ケトン体回路を呼び覚まそう!
ケトン体回路を使えるようにするには、体の中の糖質を一旦枯渇させる必要があります。
糖質があると、ケトン体回路はおやすみ状態になってしまうからです。
しかし、厳しい糖質制限をずっと続けることはお勧めしません。実際にどのようにしていけばいいのでしょうか?
一時的に糖質を抜き、ケトン体が使える状態を作ろう。
体内のグリコーゲンが枯渇すると言われている、始めの2週間程度だけ、糖質を意識的に抜いて、いったん糖質を体から追い出します。
すると、ケトン体回路が回り始めますので、そうなったら、ゆるい糖質制限へと徐々にお食事を戻していきます。厳しめの糖質制限は初めだけ、お身体の調子をよく観察しながら、無理のない程度で進めていただければと思います。
しかし、ただ糖質だけ抜くという方法では体に負担がかかってきます。
ですので次に挙げることも実践していただきたく思います。
タンパク質、お野菜は意識的に多めに摂ろう
糖質を抜くと極端にカロリー(エネルギー)が不足してきます。
筋肉を維持するためにも多めのタンパク質と、代謝に必要なビタミン、ミネラルを多く含むお野菜もたっぷりと摂るようにしましょう。
良質な脂質も積極的に摂ろう
糖質を減らし、タンパク質、お野菜量を増やしても、やはり、活動量に見合うだけのエネルギーを確保しにくいものです。
動物性の脂質を過剰にとってしまう恐れも伴いますので、お肉を今までの何倍も食べるわけにもいきません。ここで意識して摂っていただきたいのが良質な脂質です。
ω3系脂肪酸を多く含むアマニ油やえごま油などがお勧めです。
熱に非常に弱い油ですので、手作りドレッシングにして使われるなどの工夫をしながら、上手に良質な脂質も摂取して、エネルギー不足を回避しましょう。
ケトン体は危険という説について
糖尿病を患って、インスリンの作用が不足していると、糖質からエネルギーを作り出せないため、替わりにケトン体を多く発生させてエネルギー不足を解消しようとします。
その結果、ケトン体は大量に作り出されますが、細胞では機能低下のために消費されないまま、血液中に溢れ出します。
このケトン体の濃度が高い状態がずっと続くと体に様々な異常をもたらしてしまいます。
一方、通常の体の状態で、糖質制限を行い、そこで発生するケトン体はきちんと体内でエネルギーとして消費されますので、心配する必要はないと報告されています。
つまり、糖尿病を患っている状態と、通常の体の状態では、ケトン体の使われ方が全く違うのです。
ですので病気を患っていない方は、ケトン体は危険だと断言してしまわず、このケトン体をうまく利用しながら糖質制限に取り組んでいただけたらと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
糖質制限をうまく利用し、ケトン体を使える体作りをしていくことで、エネルギー源を糖質からも脂質からも得られるようにしておくことは、ダイエットにとって大きな意味を持つようになります。
効率よくダイエットが成功へと導かれますよう、応援しています。
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